勝手に岐阜県観光大使

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岐阜県観光大使のブラ大使~森の水族館、田上家~

台風と梅雨前線の影響で各地が雨ですね。

北海道では川が氾濫したり被害も確認されています。

東海地方も週間予報を見る限りでは来週から晴れ間も見られるようです。

いよいよ梅雨明けか!という期待で胸が高まる、大使です。

 

 

先日ではありますが、以前から気になっていたあの場所に潜入してきました。

 

民芸ミュージアム 匠の館

 

どこやねん!

 

って感じですよね。

 

高山市内から158号線を奥飛騨&松本方面に走り、途中丹生川の町方交差点で東に進路を変え、しばらく走ると「それ」はあります。

 

なんでも森の水族館(世界一小さな水族館)だそう。

 

数えきれないくらい158号を使い奥飛騨に行き、何度も看板を見ているのに一回も入ったことがなかったので今回初潜入してきました。

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THE古民家。

「これだけ気になって来たのによく見かける感じの古民家かい」

と思ってしまった。

あの時の自分を殴ってやりたいです。

 

入館料は500円

ここ「田上家」の見学と隣に併設している「森の水族館」の入館料です。

 

まず田上家に入ってドーーーーーーンと目に入ってくる大広間。

その天井には見たこともない大きさの梁。

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この家は明治15年に着工、完成までに12年の歳月をかけられた大作

着工から現在まで135年この場所で飛騨の発展を見守っています。

多くの古民家が移築をされたり、大火で建て直したりしているのに対し、田上家はずっとここで保存されています。

 

この家は古い町並みにある「日下部民藝館」を明治12年に建てた”川尻治助”が建築を担当。

日下部民藝館は「国指定重要文化財」なのにここは高山市指定文化財

 

なぜ?

 

話は家の中に戻ります。

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写真上部にかかる太い梁。

これが写真で見るのと実際見るのとでは全然迫力が違うんです。

 

直径90㎝長さ8mの巨木。

木を乾燥させるのに9年もかかったそうです。

これはすごい。

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この切り口。

その巨木を支える梁もまた立派なもの。

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一番大きな梁と大黒柱が大きくずれています。

ずらしていると言ったほうが正解でしょうか。

冷静に考えるとこの大きな梁を真下で支えていない訳ですからすごいバランスですよね。

このまま135年建ってきたんです。

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先に2Fへ。

ここは美術館のようになっています。

古民家らしく2Fはムシムシと暑いです。

ここでも素敵な発見を。

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な、なんだこのカオスな状態は。

一本の柱に頼りすぎというかカオス。

川尻治助は日下部民藝館を建てた後にここを建てましたが、建築のルールが緩和されて割と自由な感じに自分の作品を残せたそうです。

使う木の量も多くこの様な芸術が残せたんですね。

ただただ見とれる重ね技

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こちらは中2Fに展示してある川尻治助の大工道具。

なんでも12年もかけたこの家に大工道具をわざと置いていったそうです。

大工(飛騨の匠)ってカンナだけでもかなりの数を使いこなすみたいですが、大使にはこの道具使いこなす自信ありません。

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扉に施してある匠の遊び。

おしゃれだ。

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さて1Fへ戻り、大広間。

手前が仏間ですね。

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じっくり見て係りのお姉さんに質問をたくさんしていたら立ち入り禁止のところを見せてもらいました。

落とし掛けの裏。

ここまで完璧に作ってきた川尻は「この家が今後も発展していくように」と願いを込めてあえて「未完成」にしたそうです。

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続いて長押。

縁側の長押に支柱がないの気づきましたか?

ただでさえ雪の多いこの地域でこんな家づくりは今では無理でしょう。

川尻はこの木が日陰にあったのか日なたにあったのか、木の削り方などをすべて計算した上でこの様な作りにしました。

135年間何も問題がないってすごいですね。圧巻の一言。

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欄間のデザインもなぜか海っぽい。

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さんご?

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屋根も特に曲がったりすることなく綺麗です。

今は燕の巣作りの関係で雨戸が閉まってますが、夏はフルオープンされて気持ちがいいこの上ないそうです。

夏に期待。

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屋根はせがい造りとなっており高山では日下部家とここだけに残っているもの。

江戸時代は木の無駄遣いとして許されていませんでしたが、明治時代になり法律もゆるくなり、木をふんだんに使用したように思えます。

あとは屋根の下に雲と呼ばれる塗装も施され、高山市内では珍しいもの。

雲は大工のサインのようなもの。

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木の接合部分もお気づきでしょうか?

一本一本木は違うんですが、木目が同じような木を繋ぎ合わせています。

ここにも川尻のこだわりが見られますね。

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このように四隅をカットされた窓枠デザインは珍しいのだとか。

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トトロでおなじみの古い電話も使えます。(内線のみ)

外にある電話同士話すことができます。

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あとは建物内部に昭和30年代の高山市内を再現したジオラマもありました。

当時は鉄道の回転台もあったんですね。

古き良き時代。今とは全く違う町並みに昭和を生きたくなりました。

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側面を見てもかなり大きな建物ということが分かりますね。

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富山(越中)と言えば、薬。

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なんと文化財のトイレ。

今でも現役のトイレです。

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可愛らしい男性トイレ。

中の壁が素敵...

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まさかのトイレなのに無節の杉板が使われています。

贅沢に木材を使いすぎ...

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そしてお待ちかねの「森の水族館」

中にはイワナやアマゴ、巨大魚イトウなどの展示があり、さすが世界一小さな水族館だなって感じ。

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ちなみにドクターフィッシュできます。

足ではないですが。

手は入れ放題です。

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外にはアヒル

人間慣れしていて怖がる素振りなし。

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手押しポンプも使用可能。

昔の体験できます。

こんな名言も↓

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あなたは幸せですか?

終盤で考えさせられるとは思わなかった。

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乗鞍やっちまったな。

これはセーフなのか?

 

 

以上森の水族館、匠の館田上家のレポートでした。

ちなみに共通の入館料が500円ですが、コーヒーやお茶が飲み放題。

築135年の古民家でのんびりしながらコーヒーが飲めるって考えたら、かなりコスパのいい施設。

日下部民藝館のように素晴らしい調度品はなくても、観光客が少なく外国人で溢れることもないので本当にゆっくりするにはおすすめ。

大使ツアーにふさわしい施設でした。