チャリの空気を入れたい、大使です。
桜の時期です。春です。花粉です。
急ですが、岐阜県には日本三大桜に数えられる桜が存在します。
樹齢は約1,500年のエドヒガン。
この淡墨桜だけは毎年欠かさず見に行っています。
引きの写真がコチラ。
大きいです。
しかし、今年は見た瞬間に感じました。
「あれ、小さく見える。」
そう、去年の台風の被害で大事な枝が4本折れてしまいました。
去年の台風はひどかったですからね。
実は昔、一度枯死寸前までいった淡墨桜ですが(伊勢湾台風の影響で)、作家・宇野千代さんの尽力で生き返った桜でもあります。
一度死にかけて、生き返る。
今回は腕が4本なくなっても咲き誇る。
「咲き誇る」という言葉がまさにピッタリ。
見上げるとさらに感じる迫力。
裏に周ると、桜は一段と近くに。
自分の力では支えきれなくなった枝を数多くの支柱が支える。
文字通り「支えている」
まるで人間界を表しているかのような光景。
一人では生きていけなくなる。
一人では生きていけない。
喋りはしないけどそんなことを訴えかけられた気がする。
遠くには雪のかぶった山。
こちらも堂々と咲き誇るが、師匠の存在感には到底及ばない。及ぶはずがない。
これこそ究極の師弟関係だ。
後ろの後輩に、
「腕が折れただけで輝きを失ってはいけないよ」と教えているようです。
夜には別の表情も。
ほんのりとライトアップされ、漆黒の闇に浮かび上がる淡い桜色。
この一本の桜のために何十万人が感動するのか。
1500年間どんな歴史を見て、どんなことを感じたのか。
ただただそこにドンと居座っているわけではなく、色々な物語を見てきたはず。
木も生きている。
こんな大先輩を見ていると、自分の人生約80年というのがあっという間に感じる。
いや、あっという間なんだ。きっと。
途方もない時間を考えると自分の感じている悩みとか不安って本当に小さい。
淡墨桜に笑われるな。
「僕なんて、何回死にかけたことか。」
これからも精一杯生きていこう。
人間の悩みや不安なんて1500年からしたら、しょうもないし小さすぎる。
気楽に楽しく今を大切に生きていこうって毎年思わされる、かけがえのない存在。
また来年も同じように咲き誇ってほしい。