ボランティア後のビールは美味すぎる、大使です。
今日は佐倉市のお隣、八街市(やちまた)の農家さん(以下、内藤さん)の支援をしてきました。
農家の被害はテレビやネットニュースでも報道されている通り、ビニールハウスが壊れて野菜が出荷できない。など深刻な感じ。
僕はある程度の覚悟で行きましたが、想像を遥かに超えた惨状でした。
自然にはどうやっても太刀打ちできないな、という感じでした。
ショッキングな写真が続きますが、どうか最後まで見てください。
コレが現実です。
畑に着き、一息つく前にこの光景。
目の前に広がる光景に言葉がでません。
内藤さんはトマト・キャベツ・レタス・人参・ぶどう・スイカなど色々な青果を生産しています。
今回の台風で潰れたハウスの棟数。
ここにあるのはトマト5棟、レタス3棟。
つまり全てのビニールハウスが全壊しました。
内藤さんは言いました。
「絶望」
だと。
待っていても鉄骨はなくならないのでとにかく解体。
おびただしいほどの鉄骨。
まだこれだけで2棟分です。
業者を入れて持って行ってもらいますが、これだけ大きな災害です、業者を捕まえるのも一苦労だそう。
ミニトマトに完全にもたれかかっている鉄骨。
これでは出荷はおろか、収穫もできません。
よーく見てみると、根元から持ってかれてます。
これが自然の力です。
収穫を待つことなく一生を終えたトマトたち。
言葉が出ない。
よくもまあこんな芸術的に曲げるよな。
あ、知らない人のために。
この鉄骨、そんじゃそこらの力ではこんな風に曲がりません。
いかに自然の力が恐ろしいか。
鉄骨や送水パイプを切断するのですが、ここで、
僕のボランティア史上一番ショッキングなことが。
落ちているトマトを踏みながらの作業。
トマト農家で働く身として、これだけはショッキングだった。
踏むたびにトマトが潰れる感触がする。
この子たちは何も悪くないし何もできない。
ただ、多くの人の「幸せ」になるはずだったのに。
本当に悲しかった。
なぜこんな形に曲げられるのか。
疑問でしかない。
ハウス2棟の解体でこれだけの鉄骨。
下に何もなかったのでスッと解体に進めましたが、次からのハウスはまだトマトが眠っている。
この2棟の倍以上の時間がかかる。
これを50才を超えたおじちゃん2人がやるんです。
体が心配だ。
影も形もなくなったぶどう棚。
内藤さん曰く、
「自慢のぶどうだったのになー。」
下には収穫間近で落下してしまったぶどうが。
腐敗が進み、ニオイも酷いし虫も多い。
違う農家さんですが、要はビニールが張ってあって、固定されているので風がくると100%風を受け止めてしまうんです。
そうなるとあとは潰れるだけ。
鉄骨が空高くまで。
まだこの農家さんは手が付けられてないようです。
内藤さんは胸の内を語ってくれました。
僕はただ、頷くことしかできなかった。
種を撒くところから収穫、出荷まで全て1人でやっていた内藤さん。
「自分自身腰が悪くなってギックリ腰も多くやるようになった。それに若いころに父を亡くし、今は母が認知症。昔は3人でやってたけど今は1人。土ならしからやって暑い日にハウスの中で作業、これから収穫のピークという時にこの有様。もうどうしていいか分からないし、せっかく愛情込めて育てたのに...」
「隣のハウスの人なんて台風が過ぎた日から姿見せないよ。たぶん見たくないんだろうね。僕と同じ状況に肩を落とすだろうね。」
「台風当日は経験したことのない風。朝起きて畑見てみたらコレ。絶望したね。でも絶望していられるのも束の間、飛んで行ったビニールの回収。僕のビニールが道路を塞いでいるから渋滞が起きてたの。その時くらいは手伝ってほしいよね。」
「台風のせいで塩害がスゴイ。この下敷きのトマトたちも塩害を受けている。枯れていく姿を見るのもツライ。」
これが現場のリアルの声です。
でもね、小さな希望を見つけたんです。
こんなに重い鉄骨の下敷きになっていながらも、脇芽を出したり花をつけるトマト。
コイツらまだ生きてる...
回収されるその時まで必死に生きようとしている姿に胸を打たれました。
水を毎日あげることはできなくなってるけど、それでも生きられる。
感動した。
だからかな、トマトを踏みながらの作業はツラかった。
でも一番ツラいのはトマトたちなのに僕たちがへこんでいてはダメだな。
生き物を育てるというのは本当に難しい。そう改めて感じた。
「農家はいつだってつらいんだよ。手伝いの募集をかけたって集まりやしない。そりゃそうだよな、こんな暑いところでわざわざ働かなくても、クーラーガンガン効いた部屋で仕事してお金もらいたいよな。」
内藤さんの言葉にことごとく返事できない僕。
※圧倒的に人が足りません※
もう色々言われるかもわからんけど、言っちゃいます。
いつでもできることに金使って時間使うんやったら、千葉県に手伝いに行ってあげて下さい。
これは年齢も性別も地位も経済力も関係ない。
社長だろうが大学生だろうが。
今回は人口密集エリアでおきた災害。
たぶん多くの人が来るだろうということでほとんどのボランティアセンターが市内・県内・日帰りできる人が募集範囲。(宿問題もある)
でも実際には人が全然集まっていない。
どうか、行くか迷ってる人、行ってみようかなって思ってる人、行ってあげてください。
県外の人たちで行きたい人たくさんいます。
でも募集範囲が狭すぎて何もできないんです行けないんです。
行きたくても行けない。
一日でもいいから参加してみて、思ったことや感じたことを発信してください。
一緒に千葉県の力になりましょうよ。