美しいものを美しいと言い続ける人生でありたい、大使です。
世の中は人工物で溢れている。
日本は自然面積の方が圧倒的に広いけれど、コンクリートが我々への残すイメージは大きい。
自然大国の日本でコンクリートと自然が一体化するような建造物はないのだろうか。
きっとあるはず。
多くはないけれど。
本日の記事は熊本県は山都町。
サントリー工場から車を走らせ(ハルキに走らせてもらい...)、40分ほど。
円形分水
であります。
読んで字のごとく。
円形の水分けです。
私は無類の水路好き。
水路を眺めながらあれこれ考え、ブツブツ呟くのがライフワーク。
そして愛でる。
サントリーのビール工場に円形分水があれば...
私は間違いなくそこで一生を終えるでしょう。
とことこ歩いていくと...
ううう
美しすぎて...直視できない…
こちらが円形分水(円筒分水)です。
昔は日本各地にあり、水に恵まれなかった土地への送水機能でした。
今では水利も発達し、わざわざこの方法じゃなくて良くなりました。
まさに絶滅危惧種。
すごく手入れが大変だそうです。
奥の方から水路が円形分水方面へ伸びてきており、一度水は地下へ潜る。
下り勾配の勢いを活かして円形分水の真ん中に噴出させます。
そして平等の高さで溢れさせる。
水での争いが多かった時代に生まれた、画期的かつ芸術的な水路です。
大自然に突如として表れ、違和感そのものではあるけれど、生活を結び付ければ自然と溶け込む。
それにしてもため息の出る美しさ。
正直”水を運ぶ、水を送る”という目的だけであれば円形分水の必要はない。
しかしそこに”争い”が入ってくるとただの水路だけではダメなのです。
あくまでも「平等に」運ぶ必要があるので円形分水という形が必要だったのです。
昔は当然の様に見られた水利システムだけど、今では絶滅危惧種として扱われている。
そして全国に1億2千万人もいらっしゃる水路ファンの目を楽しませています。
本当に美しい。
なくなることなく、いつまでもこの地に存在してほしい。
そして今も昔も、平等に水を運ぶ役割を全うし続けてほしいです。
山都町の山奥という辺鄙な場所にある円形分水。
ぜひその美しさをその目で見てみてください~
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